大人の居場所:1

毛糸のキャップを被っていたら娘が気に入らなさそうな顔をした。
小学校中学年くらいまでの子供の、人に対する美意識は中高年のそれに近い物があるように感じる、僕自身子供の頃の事を思い出すとそうだったといえる。
もしかすると思春期から結婚適齢期頃までの感性の方が特殊なのかもしれない。
その時期は、植物でたとえるなら花の時代、蝉ならば羽化してからの数週間。
感性もとぎすまされて華やかで浪費が多い。
それは消費財のビジネスターゲットにもうってつけで話題性もある。だからこそクローズアップされやすいのではないかと思える。
人生が概ね八十年となってきている中でその1/4の時点に焦点のほとんどをあててしまうのは問題があるんじゃないかと思うのだ。
様々な経験を越えて豊かな心を持った世代にこそ文化が必要なのではないか。
花開く時代をもてはやしすぎることで心豊かにあるべき年代にまで若年齢化が起きているのではないか、
と考えるている。
思春期からの花の世代、恋をし満たされること場合によっては結婚することはほとんどそこが目的地に成ってしまっている。
がしかし、そこを越えた人にとってそれはゴールではなく始まりだと分かっているはずだ。