おむすび

おむすびという言葉が好きです、普段はおにぎりと呼んでいるけど。
単にご飯をにぎった「ライスボール」ではなく、具と味付けと海苔を多層構造に真心で結ぶ。
「ムスブ」という言葉は「ウム」を含んで作り出す意味を持ちます。
古事記に出て来る「タカミムスビ・カミムスビ」という始原神の御名にも含まれます。
物質を構成している原子は宇宙の惑星系ほども疎で、重量の大部分を占める原子核素粒子としてみるとほとんど実体の無い波動:エネルギーだとか。
インドの神話にあるように何もないところに起こした律動が、あるいは国産み神話に出て来る水面に落とした滴の波紋のように。
何もないところに結び目を作るように、存在は作られている、そんなイメージです。
そしてその逆は「ホドク」、存在がきえる。
真心込めておにぎりをムスブ時にはまさに手の中に握り飯をウムような錯覚にとらわれるのです。