ハタラクことと感謝と

僕はパソコン・ネットワークまわりのユーザーフォローを個人で受けてお仕事にさせてもらっています。
始めて伺ったお客さんから「で、お支払いは…」との問いに「お客様にとっての価値の分だけいただければ」と先ずはお答えしています。大抵はそれでは困るといわれるので時間換算や作業単位ごとの大体の料金を提示することになります。それでも懲りずに先ずは「お客様にとっての価値」にこだわっています。
それはお金で権利を買うと言う経済から感謝をいただくために働きそれをお金というパラメータで返していただく、そうした形にひっくり返したいと言うオモイからこだわり続けています。
しかし、僕自身が「とりあえず言ってみる」程度の姿勢だったことが形になって現れつつあります。
お付き合いがあった会社からパソコンが起動し無くなくなったとの連絡を受けて見に行くとハードディスクに異常があるらしい様子、よく聞くと使用中に停電があったと言うことで先ずは本体をお預かりしてきた。
簡単に対処をまとめるとディスク表面のバッドセクターをすべて復旧:10時間程度かかりました。
Dosで起動してチェックディスクを走らせる:ここでやっと起動画面が表示されるも途中でブルーアウト
デル製なのでハードをチェックする内蔵ソフトでチェック:エラーコードを取得
ディスク上のデータは不要とのことなのでデルに連絡して部品の無償交換の手配:電話がつながるまで一時間半!
ディスク上のデータを消去するためディスクをフォーマット:そのままOSもインストールできたのでとりあえず使える状態になったのだけれど、エラーを出したことと無償で交換してくれることなどを考えてデルに任せることにした。
ハードディスクの交換はケースを開けてディスクを入れ替えるだけなので簡単なのですがそれだけで済まなくて、交換後OSをインストールし必要なアプリケーションを入れて各種アップデートをすると交換後数時間かかります。
デルが翌日に即応とのことなので朝からPCを持参し経緯を説明し始めると担当の事務員さんはその時点で治っていないことにひどく落胆している様子でした、実際には動く状態にまでにはなってるんですが。
コンピュータはそのまま何でも出来る機械なのではなく膨大な種類の決まった処理を事前にプログラムという形で準備したものです。トラブルがあるとその膨大な準備を再度してやる必要があるのでとても手間がかかるのです。
使っている人の感覚からいえば当たり前に使えていたものを元通りにするだけなのでトラブルの復旧にはそれほどの価値を感じません。したがってまっとうにトラブル処理にかかった手間を金額として提示するとたいていの場合「無駄に高い、割に合わない」そう感じるものです。
だからこそ「お客様にとっての価値の分だけ」が生きてきます。
また、コンピュータのトラブルや困ったことはあまり詳しくない人にとってはかなり日常的に発生します。それに対応していると呼べばすぐに対応してくれる便利屋さんは普通の存在になってきてこちらもまた価値観が薄れていやすい部分です。
一方で僕の側からすれば機械的な故障でもない限りは基本的に必要なコストは移動のための交通費と自宅で修理したりデータを作成するための電気代と通信費と使い回しが出来るソフトウエアと必要に応じて準備するサーバーの費用で明らかな仕入はほとんどありません。言ってしまえば無料でも済んでいってしまうお仕事です。
これは経済価値のもしくはお金の機能の逆転を練習させていただくのにとても適したお仕事だと思っています。
ありがたいことに今まではそういったスタンスでとても気持ちよくお仕事をさせていただいてきました、中には本当にお客様が費用を決めて下さっている方もいらっしゃいます(感謝です)。
そうした中、お付き合いしていると「お金を払うから全部やってよ」というお客様も出てきました、これは僕にとっても分岐点になります。
お客様にどのように伝わるか僕はオモイをどうした形で通すもしくは区切りをつけることが出来るのか それが今の課題です。