筑紫哲也さんの死に際し心よりお悔やみ申し上げます

「筑紫哲也さん死去」News i
NEWS23 お知らせ

私も永らく「NEWS23」のファンでした
誰もが見ている風景も写真家が切り取ると芸術になるように
NEWS23」の切り取る時代は筑紫氏あってこそだったようで、筑紫氏が降板した後の番組はありふれたニュース番組になっています。
「ニュースを伝える」とは中立で事実のみを伝えること
筑紫さんの「NEWS23」では何らかの意見を発信することはほとんどありませんでした
多事争論でも、多くの場合は問いかける形でした
インタビューでも見ていてじれったいほどに、ひたすら問いかけていらっしゃいました。
それでも見ているものに伝わってくる何かは
取り上げるニュースの構成、取り上げるテーマの誠実さによるものなのでしょう。
筑紫さんの死を悼む鳥越氏が「筑紫さんには文化のにおいが…」と表現していた
それは失われつつある「美学」というものなのかもしれません。


ひき逃げ犯が被害者を引きずった血のあとを延々と追いかけたり
子供を失った父親が怒りを校長にぶつける場面をカメラで後押ししているような野次馬報道を流したり
そうした姿勢の報道にはまさに文化がありません。


心から筑紫さんの死を悼み
ご冥福をお祈りいたします。